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6月3日(金),中野春夫先生(学習院大学教授)をお招きして,今年度第1回目のセミナーを実施しました。
中野先生は,日本シェイクスピア協会会長を務められ,現在は日本英文学会編集顧問でいらっしゃいます。すなわち,国内における英文学研究,シェイクスピア研究をけん引される方で,この分野の最も優れた学者でいらっしゃいます。そのような先生のお話を聴くことができるのは,高校生にとって大変貴重な機会となりました。
今回の演題は「『テンペスト』と作られる歴史」でした。『テンペスト』は,シェイクスピア最後の作品で,その材源がヴァージニア会社パンフレットであるというユニークなものです。作中の人間社会における「管理」の在り様,当時の新大陸幻想,繰り広げられる悪の自己培養といった側面は,まさに今日の国際情勢を考える上でも大いに役立つ部分であると言えます。
これからの世界を担う生徒たちは,テンペストの世界や,登場する人物を通して,「世界とはこういうものなんだ。」,「人間とはこういうものなんだ。」という気付きの機会を持ち,世界をより良くしていくヒントを得たものと思います。
生徒は事前学習にも熱心に取り組みました。中野先生から,「生徒さんたちにこれだけ丁寧に予習していただけるとは,予想外で嬉しい限りです。(テンペストを)丁寧に読んでくださったようで感謝しています。これだけあら筋を理解していただけると,お話がとても楽しくできそうです。」と評価していただきました。また,講演後には,「日本大学高等学校の生徒さんたちは皆さん,素直で純粋で素晴らしいです。こんなに熱心に聞いていただけるとは正直想像していませんでした。生徒さんたちが熱心に聞いてくださり,質問までしていただいて,私もこの上なく充実した時間を過ごさせていただきました。」というお言葉をいただきました。
生徒の日直日誌には,「中野先生のセミナーとても楽しかったです。中野先生のお話を思い出しながら『テンペスト』をもう一回読んでみます。」と書いてありました。かかわった全員の思いが一つになり,とても良い時間を過ごすことができました。ここで学んだことは,一生の教養になります。
なお,当日は,大住有里子先生(同大学助教)もご来校くださいました。大住先生は日本大学,そしてこのブログを書いている私とも縁があり,そういったところからご厚意でご来校くださいました。中野先生,大住先生にお会いして,ご講義いただき,お話できたことは,生徒にとっても担任の教員にとっても,大変貴重な機会となりました。
(松﨑)
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